未曾有のコロナ

  • 未曾有のコロナ 病世覆う さはに散り居ぬ 喚けども 癒えられず 忌々しき穢 流転を経 悪世たづねむか
  • みぞうのころな やまひよおほふ さはにちりゐぬ わめけども いえられず ゆゝしきゑ るてんをへ あくせたづねむか
  • 未曾有の新型コロナウイルス。その病気が世を覆う。多くの人が命を落としている。わめいても治ることはない。忌々しいこのけがれは生生流転を繰り返し、けっして理想的とはいえない現代社会をおとずれたのだろうか。

世界中を席巻している新型コロナウイルス。「アマビヱ」と同じく、ツイッター上でいろは歌を作るグループが制定している4月8日「いろは歌の日」の、今年のお題です。じつはそれと気づかぬうちに、すでに口語で1つ作ってしまいました。だからもういいかと思っていましたが、「アマビヱ」を口語文語の両方で作ったので、それならばとこちらも文語でも作成。

文章全体の字面も、その内容もまがまがしい雰囲気になりました。私の心理も反映したのかもしれません。現在、日本も大きな局面に差し掛かっています。とにもかくにも収束を願うばかりです。

語法について、同語のつづく「ゆゆし」を繰り返し符合を使用して用いました。基本的に形容詞は繰り返し符合を使わずに他の語で言い換えるようにすべきですが、コロナウイルスをこれほどピタリ形容した表現はほかに見当たらないからです。また「流転を経」について、ウイルスが生生流転するなんて不自然であるのは承知しています。ただ、このまがまがしい文章ならこういう表現もいいかとそのままにしました。繰り返しになるけれど、いまは自分ができることをしっかりとやりつつ、収束を祈念するだけです。

文法について、「癒えられず」はやや不安です。品詞分解をすると、ヤ行下二段動詞「癒ゆ」の未然形「癒え」に可能の助動詞「らる」の未然形「られ」、そこに打ち消しの助動詞「ず」の終止形ということになります。どこが不安かというと、「癒ゆ」は「病気が治る」意の自動詞で、自動詞に可能の助動詞が付く形はあまり見られない気がする点です。もちろん現代でも、たとえば「行く」という自動詞に可能と打ち消しの助動詞がそれぞれついて「行かれない」=「行くことができない」と表現するのはおかしくない。だから完全な誤りということはないと思うのですが。とりあえずここでは、(逐語訳)「病気が治ることができない」=「病気が治ることはない」としています。

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