歯磨きをせぬと

  • おや、夕べにね 歯磨きをせぬと ムシよろこび けずって掘るわ モノふれチクリ メソ〱エーン さあたまらない
  • おやゆうべにね はみがきをせぬと むしよろこび けずってほるわ ものふれちくり めそ〱えーん さあたまらない
  • おや夕べにね、歯磨きをしないとムシがよろこんで歯を削って掘るよ。モノが触れてチクリ、メソメソしてエーンと大泣きする。さあたまらない。

歯磨きをテーマに描きました。

作成動機をよく覚えていませんが、かなパズルを作り始めたころの作品なので手当たり次第に題材を求めていたのかもしれません。
話題にそぐうように、全体を通して子供でも読みやすい内容になるよう意識しました。

今回はオノマトペのお話を少し。
「メソ〱」の「〱」は繰り返し符合――縦書き用の表記しかないので横書きだと不自然ですが――で、読むと「めそめそ」になり、オノマトペです。
お隣の韓国と並んで日本は世界に冠たるオノマトペ大国であり、日本語にオノマトペは欠かせません。
いっぽうで、ドキドキ、ワンワン、ブルブル、カサカサ、タプタプなど、オノマトペには繰り返さないと不自然なものがたくさんあり、そうするとかな文字の重複が許されないかなパズルにおいてこれらはすべて使えないことになる。
しかしながら、日本語のことば遊びであるかなパズルで日本語に不可欠なオノマトペが使用できないというのもつまらないですよね。同じ語を連続して使用したところで難易度にさしたる変化もないでしょう。
そこで、繰り返し符合を利用することでオノマトペを用いていいと私は考えます。繰り返し符合を用いれば、少なくとも表記上は同じかな文字が現れることもないですし。
かなパズルはただでさえ厳しい条件の課されたことば遊びであり、断念せざるを得ないことばづかいがたくさんあります。そのなかで表現の豊かさを保つためにも、和歌に「字余り」があるように、ルールの順守を前提とした例外は認めていいと思うのですが、いかがでしょうか。
なお、許容できないという方はつぎのようにお読みください。

  • おや夕べにね 歯磨きをせぬと ムシめよろこび けずって掘るわ モノふれチクリ さあたまらないぞ エーン

5~6年まえに歯科の先生から正しい歯の磨き方を教えていただいて以来、どこにも問題がありません。
歯は外側からの目に見える努力でほぼ完全に健康を維持できるもの。これからもいい状態を保っていきたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました