コロナウイルス

  • コロナウイルス 伏せジワリ 時経ち病むぞ あけぼのへ パンデミック 世をマヒに 抑えられぬ 夢かもね
  • ころなういるす ふせじわり ときたちやむぞ あけぼのへ ぱんでみっく よをまひに おさえられぬ ゆめかもね
  • コロナウイルスは体内に潜伏しながらジワリと広がっていき、時間が経つと症状が顕在化して表れる。そうして感染拡大が始まりパンデミックが世界をマヒ状態に。なかなか抑えることができない。なにか悪い夢でも見ているのか、そう思いたい。

新型コロナウイルスです。

世界中に蔓延し、死者数も日に日に増加していることを考えると、楽観的な気分を抱くこともできなくなってきました。日本でも東京にイヤな兆候が見られます。ここで拡大し出したらと思うとちょっとコワい。有効な治療薬が開発・発見されて一日も早く収束するのを願うばかりです。

作成と語法について。
中盤で「あけぼの」を見出したことが最大のポイントでした。あけぼの(曙)は夜が明けることだから、見えなかったものが顕在化するという潜伏期から発症への比喩として自然ですよね。また、「文明のあけぼの」というように物事の始まりを表す比喩として用いられることは周知の通りなので、感染拡大の始まりという意味合いにもなる。こうして、「あけぼの」が2つの意味を担う掛詞のような役割を果たしてくれ、それを仲立ちとして全体の流れがなめらかになりました。
かなパズルという自由の利かないことば遊びで、どうしてこのような修辞をほどこすことができるのかは私にも分かりません。でも、本文を順に追っていただければ詩歌的な表現として無理がなく、そう解釈しようとすればできなくもない、そんなあやふやでこじ付けめいたものでないとご納得いただけるはずです。
不思議なことに、これまでにもことばの掛かった作品がいくつかあり、作成中あるいは完成したあとにいつも自分自身が驚かされている。昔から掛詞やダジャレが好きでしたが、もしその性向が潜在的に影響しているのだとすれば、かなパズルにも個性が現れるということになるのでしょうか。
1つたしかなのは、かなパズルだからこそこのようなことが起きるということです。新型コロナウイルスをかな46文字で表現するにあたり、ふつうの詩文を書くように文字使用の制限が一切なかったら、「あけぼの」に二重の意味をもたせるなどという発想が頭をよぎることはいささかもなかったでしょう。
厳しく束縛されたことば遊びでありながら、その鉄鎖を汗をかきかき上手い具合にくぐり抜けていくと、作り手の想像もしていなかった地平が広がることもある。そんな可能性を秘めたかなパズル、ひいては日本語ってほんとうにすてきです。

口語としては完璧な七五調(75757575のうち、7字の2つが6字)になり、内容にも満足だけれど、素直に喜べない状況なのが悲しい。一刻も早く収まりますように。

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