アイラブミーな日

  • 春の陽気 立ち込め覚えず 眠気を誘われ 微睡んで 部屋にゆっくり 家事もせぬ アイラブミーな日
  • はるのようき たちこめおぼえず ねむけをさそわれ まどろんで へやにゆっくり かじもせぬ あいらぶみーなひ
  • 春の陽気が心地よく立ち込め、ついつい眠気を誘われ微睡んでしまう。今日はずっと部屋にいてゆっくり過ごし、家事もしない。アイラブミーな一日だ。

とある春の休日です。

内容についてはとくに説明を要しないと思いますが、語句に沿って訳よりもう少し詳しく記してみます。
「春の陽気」がポカポカと心地よく「立ち込め」ると、「覚えず」「眠気を誘われ」て「微睡んで」しまうもの。休みの日ならずっと「部屋に」いて「ゆっくり」、「家事もせぬ」ままにのんべんだらりと過ごす。そんな「アイラブミーな」1「日」があってもいいですよね。

語法について。
「春の陽気 立ち込め覚えず 眠気を誘われ」に関して。
「春の陽気が立ち込める」や「春の陽気に眠気を誘われる」は定型的な表現と言えるでしょう。もともとは「春の陽気に 眠気誘われ 微睡んで」といった感じのフレーズが浮かんだのが始まりで、進めていくうち「立ち込め」も加わりました。ことばの扱いが不自由なかなパズルにおいてはありふれた言い回しを無理なく使用することこそが難しく、2つ並べて組み込めたのはうれしいです。
文脈にピッタリの「覚えず」は、余りやすい「ほ」の使いどころを探るなかで見つけました。素敵なことばなのに最近はあまり見かけません。
タイトルでもある「アイラブミーな日」の「アイラブミー」はもちろん「I love me」のこと。ネットで調べてみると、数は多くないもののカタカナ語としての用例があります。ここでは「自分を労わる、自分へのご褒美」といったニュアンスの比喩で用いました。ちょっと変な言い方かもしれませんが、少なくとも50代くらいまでの日本語母語話者のカタカナ語感(?)でならば、言わんとしていることは――話の流れからも――自然にご理解いただけるだろうと思います。いかがでしょうか。

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