ミュシャ

  • ミュシャ 筆を持ち 花・環・曲線 選び重ね まめに彩り ポスターへ これぞ無欠の アール・ヌーヴォー
  • みゅしゃ ふでをもち はなわきょくせん えらびかさね まめにいろどり ぽすたーへ これぞむけつの あーるぬーゔぉー
  • アルフォンス=マリア=ミュシャ。筆を手に、花や円環や曲線などのモチーフを選び出して重ね合わせ、まめに彩ってポスターへと仕上げる。これこそ完全無欠のアール・ヌーヴォーというものだ。

19世紀末~20世紀前半にかけて活躍したチェコの画家、アルフォンス=マリア=ミュシャです。

美しい。
ミュシャの作品を目にしたほとんどの人はそう感じるのではないでしょうか。
流麗な曲線、華やかな装飾、気品ある彩りが見事に調和した絵に思わず心を奪われます。
日本でも人気があるのでご存じの方も多いでしょう。
この素晴らしさをかなパズルで描き出したく、挑戦しました。

内容と語法について。
「花」「環」「曲線」は、いずれもミュシャの絵を構成する主要なモチーフです。ほかには衣装や装飾品など。これらを巧みに組み合わせることで、優美なデザインが生み出されます。それは背景で使用した『夢想』をご覧になればお分かりいただけるでしょう。
「選び重ね」に関して。「選び」には二段階の意味があり、まずは作品を制作するにあたりどのモチーフを使うのか、それを選択する意味での「選び」です。また、(草)花にはいろいろな種類があり、環も大小さまざま、曲線はそれぞれ形が異なります。つまり各々のモチーフから画題にもっともふさわしいものを「選び」出すということです。そうしてそれらを「重ね」合わせながらデッサンし、「まめに彩り」、完成させていく。
「ポスター」はミュシャの人生と切っても切り離せません。というのも、ひょんな偶然から手掛けたポスターが無名の彼を一躍世に知らしめることになったからです。有名な作品のなかにもポスターとして制作されたものがたくさんあります。
「アール・ヌーヴォー」もミュシャを語るうえで欠かせません。アール・ヌーヴォーは当時の芸術界で流行していた表現様式のことで、曲線や非対称性、草木や花などの有機物を活かした装飾を特徴としました。彼自身は必ずしもアール・ヌーヴォーの流れに従っていたわけではないそうですが、その作品はアール・ヌーヴォーを完全「無欠」に体現していると言えるでしょう。
この辺りのことに関しては、『もっと知りたい ミュシャの世界』(宝島社、2017年)の表紙に記された簡潔な文句「1枚のポスターで時代の寵児となったアール・ヌーヴォーの旗手」が余すところなく語ってくれていますね。

ところで、作成当初から設定していたキーワードは「ミュシャ」「アール・ヌーヴォー」「曲線(美)」ですが、大半の作品の中央に鎮座する女性も不可欠のモチーフであり、とても重要です。しかし、あれこれ工夫しても言及することは叶いませんでした。「ポスター」を盛り込むこともできてほぼ満足の出来ながら、それだけが心残りです。ここはぜひとも、ミュシャの絵画において女性はあまりにも当然の存在であるがゆえにわざわざ示す必要はないのだ、とお考えいただければ…。

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