寒き日鍋を

  • 寒き日鍋を 湯気立ち昇り 笑顔幸せ 温められる 五臓六腑は 余韻に富み 寝ても止まず
  • さむきひなべを ゆげたちのぼり えがおしあわせ ぬくめられる ごぞうろっぷは よいんにとみ ねてもやまず
  • 寒い日は鍋を。湯気が立ち昇ると思わず笑顔になって幸せ。温められる五臓六腑は余韻に富んで、寝入ってもポカポカしたままだね。

鍋です。

作成について。
余りやすい「そ、ふ、ろ」を含んだ「五臓六腑」を使いたいというのが作るきっかけです。なんとなくお酒の場面をイメージしていたけれど、私自身がほとんど飲まないせいか、進んでいくうち話題は鍋になりました。
「き」が作成上のキーピース。終盤になっていくら試行錯誤しても上手いこといかず苦しんでいたのが、「寒い」だったのを「寒き」にしてみたところ、残りの文字も全体の文脈も面白いようにきれいに組み合わさってすべてがピタリと収まったからです。
これほど劇的なことは初めてで驚くとともに、かなパズルでは1字の違いが出来を大きく左右するのだと改めて実感しました。

語法について。
「寒き日鍋を」の「寒き」は厳密にいえば文語法です。しかしながら、「清き1票」や「古き良き時代」など、現在でもしっかり生きています。
「温められる」は「温(ぬく)める」の受身形。「温(あたた)める」ばかりが用いられるためにふだんあまり見聞きしません。でも生粋の名古屋人である母方の祖父は、間に「と」を入れた「とめる」の形でよく使っていました。こちらは辞書に載っておらず、ネットで調べてみると案の定名古屋弁のようです。

この季節はやっぱり鍋がおいしい。グツグツ煮立って湯気が沸き上がってくる様子を見ていると気持ちも明るくなります。
いろいろと暗く沈みがちな状況ですが、鍋で心と身体を温めて、少しでも元気を出す具材にしたいものです。

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