麻雀

  • 麻雀 ―――リーチ。ローソーを引き、ツモ! 高目な。一盃口増え、さらに上乗せ。あれよと抜けて、頬ゆるみ、胸は空く。
  • まーじゃんりーち ろーそーをひき つもたかめな いーぺーこーふえ さらにうわのせ あれよとぬけて ほおゆるみ むねはすく
  • とある麻雀の対局。―――リーチ。ローソーを引いてツモ! よし、高目な。一盃口が増えて、さらに――ドラも――上乗せ。あれよという間にトップへ抜けて、頬がゆるんで胸は空く。

麻雀です。

一昔前は博打としてのイメージが強かった麻雀ですが、最近は「健康マージャン」などと称されることもあり、頭の体操として高齢者の間でも楽しまれるようになりました。我が家でも、それこそ親のボケ防止を兼ね(?)て定期的に打っています。
理屈や腕前だけでなく運も作用するところなど、かなパズルと共通性のある気がしておもしろい。
ということで、挑戦です。

作成について。
当初、延々つづけていても筋の通った全体像が見えてこず、何度も投げ出しそうになりました。
転機になったのは「サブロー」が思い浮かんだことでしょう。それにより、これまでとはまったく異なる展開になり、さらにひと通り役を挙げた状況で「ほおゆるみ むねすく」の組み合わせがパッと見え、一気にゴールに近づいたのです。
ひとつのワードがいかに全体の組み合わせに影響するかを改めて痛感しました。
とはいえ、ご覧の通り完成形では「サブロー」も姿を消しています。
かなパズルはほんとうに複雑なことば遊びです。

語法について。
「一盃口増え さらに上乗せ」は、「一盃口」が「増え」て、それだけではなく「さらに」もともと1枚あったドラがもう1枚「上乗せ」された、ということです。前言「高目な」を受けてその内訳を具体的に説明しているわけですね。
かなパズルでは、ことばの使用に厳しい制約が課されたうえにかな46文字しか使うことができず、自然な日本語表現に整えられるかどうかギリギリの状況に置かれています。そのときに重要なのは、話題の骨格を描き出すこと。補足説明の役割も兼ねた訳と併せて読めば、原文だけで無理なく意味内容が通じることです。
この場面では「ドラ上乗せ」と「ドラ」を明示できるに越したことはないけれど、省略しても文脈からご理解いただけるのではないでしょうか。
「あれよと抜けて」の「あれよと」は「あっという間に」といった程度のことばづかい。「抜け」は「トップに抜け出る、躍り出る」意の「抜ける」で、麻雀でしばしば用いられます。
最後、「頬がゆるむ」に「胸が空く」と、慣用句を2つ並べて締めることができたのは望外のことでした。
なお、麻雀の用語に関しては説明を省きます。

例示した手牌の役を確認しておくと、リーチ・ツモ・一盃口・ドラ2となり、満貫です。
ここでは親のアガリと仮定して、12000点にしました。
流れが回ってくると引きが強くなって一気にトップへ抜け、思わず頬がゆるんで胸が空くものです。でもツキがイマイチだと、たとえばこの局面でツモったとしてもキューソーを引いてしまい、一盃口は付かないしドラの加算もされないしで、ちょっとモヤモヤした気分になる。麻雀をされる方にはそんな気持ちがよくお分かりいただけるのではないでしょうか。
いっぽうで、ご存じない方にはなんのこっちゃですね。

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