降る雪しぐれ

  • 親の仇呼び 侍まみえ わずか睨め そろり抜けば 刹那…ボトン 首を手に持ち 降る雪しぐれ
  • おやのあだよび さむらいまみえ わずかねめ そろりぬけば せつなぼとん こうべをてにもち ふるゆきしぐれ
  • 親の仇を呼び付けて侍は相まみえ、瞬時睨め付ける。そろり刀を抜けば、刹那―――ボトンと首が落ちる。それを手に持つと、空からは雪しぐれが降ってきたことであるよ。

とある時代劇のクライマックスシーンです。

侍を主人公にしたお話を作ろうと考え、当初は文語で作成したものの、昨今は文語になじみのある方が多くありません。そのため口語で作り替えることにしました。
結果的に文語作より整った内容になり、満足です。さしずめ残酷絵巻とでもいった感じでしょうか。

作成上のキーポイントは、半ば偶然ネットで発見した「雪しぐれ」です。
雪としぐれの組み合わせからおおかたご想像がつく通り、その中間であるみぞれを意味します。とはいえ私の語彙にはなかったことばであり、手持ちの辞書にも載っていません。これがなければ完成できていたか分からないですから、現代文明サマサマです。

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