思わぬ知らせ

  • 結婚すると 思わぬ知らせ 胸を裂きゆく いまは部屋で うち飲め酔え ひそかに涙 あふれボロリ
  • けっこんすると おもわぬしらせ むねをさきゆく いまはへやで うちのめよえ ひそかになみだ あふれぼろり
  • あの人が結婚するという思わぬ知らせが胸を裂きゆく。いまは部屋でとにかく飲んで酔ってしまえ。人目がなくてもこっそり泣こうとするのだけれど、涙がボロリと溢れる。

物語によくありそうな情景を描きました。

始めの「結婚すると 思わぬ知らせ」だけが浮かび、そのあとはまったく考えずにスタート。
こういう場合、自分でもどう展開していくか分かりません。余った文字群から選び出したことばによって、同時一体的に文脈が生成されていく。作り手でありながら他人事のような、ちょっとおもしろい感覚です。でもただ眺めていては筋の通った文意にならないので、語句を並べ替えたり措辞を微調整したりと、いろいろ工夫しないといけない。そこがかなパズルの魅力であり難しさですよね。
残念ながら、悲しいお話になりました。
ところで、最後の「ひそかに涙 溢れボロリ」に関して、訳に加えもう少しご説明を。大人になると、人が見ているいないにかかわらずしっかり(?)泣くことが気恥ずかしくなりますよね。だから「ひそかに涙」するつもりだったのに、でもやっぱりこらえきれず「溢れ」て「ボロリ」ということです。

語法について、「うち飲め酔え」の「うち」は動詞の頭につけて意味を強調する接頭語。現代ではあまり用いられませんが、「うち捨てる」や「うち震える」など、まだ生きている好きな表現です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました