- 麻雀 ―――リーチ。ローソーを引き、ツモ! 高目な。一盃口増え、さらに上乗せ。あれよと抜けて、頬ゆるみ、胸は空く。
- まーじゃんりーち ろーそーをひき つもたかめな いーぺーこーふえ さらにうわのせ あれよとぬけて ほおゆるみ むねはすく
とある麻雀の対局。―――リーチ。ローソーを引いてツモ! よし、高目な。一盃口が増えて、さらに――ドラも――上乗せ。あれよという間にトップへ抜けて、頬がゆるんで胸は空く。
麻雀です。
一昔前は博打としてのイメージが強かった麻雀ですが、最近は「健康マージャン」と謳われることもあり、頭の体操として高齢者の間でも楽しまれるようになりました。私も、それこそ親のボケ防止を兼ねて(?)不定期的に家族で打っています。
理屈や腕前だけでなく運も作用するところなど、かなパズルと共通性のある気がして面白い。
そんな麻雀で、挑戦です。
例示した役を確認しておくと、リーチ・ツモ・一盃口・ドラ2となり、満貫です。
ここでは親のアガリと仮定して12000点にしました。
流れがよくなると引きが強くなって一気にトップへ抜け、思わず頬がゆるんで胸が空くものです。でもツキがイマイチだと、たとえばこの局面でツモったとしてもキューソーを引いてしまい、一盃口は付かないしドラの加算もされないしで、ちょっとモヤモヤした気分になる。麻雀をされる方にはこの気持ちがよくお分かりいただけるのではないでしょうか。
いっぽう、ご存じない方にはなんのこっちゃですね。
語法について。
「一盃口増え、さらに上乗せ」は少し難のある表現になりました。つまり、原文だけでは「一盃口が増えたことで得点がさらに上乗せされた」のか、それとも「一盃口が増えて、さらにドラまで上乗せされた」のか、がはっきりしないからです。文脈とアガリ形の内容から後者のように理解できるであろうとは思うものの、曖昧さが残ることに変わりはありません。
上記の点は悔しいですが、かなパズルという語の扱いがままならないことば遊びで、「頬がゆるむ」に「胸が空く」と、慣用句を2つ並べて締めることができたのは望外のことでした。
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