われらどこへ行くだろう

  • われらどこへ 行くだろう 始まりさえも 不明な世 炎を上げて 血塗るぞ 音止み無に帰す 必然か
  • われらどこへ ゆくだろう はじまりさえも ふめいなよ ほのおをあげて ちぬるぞ ねやみむにきす ひつぜんか
  • われらはどこへ行くのだろう。もとより始まりさえも不明なこの世界だ。人間は炎を上げて血を流す争いばかりしているぞ。いずれ音が絶えて無に帰するのは必然なのか。

未来予想図です。

「われらどこへ 行くだろう」が浮かんだことから作り始め、それを含む1~4句は聖書に由来するとされる有名なフレーズ「われわれはどこから来てどこへ行くのか」と似通いました。でも、それ以降はかなり悲観的な内容です。

原因が何であれ、程度の差はあれ、人間は絶えず争ってきました。第2次世界大戦後、世界規模での戦争は起きていないけれど、つねにどこかしらで人々の血が流れています。幸い現在の日本国内で大勢の命が奪われる苛烈な争いはありません。しかし、いがみ合いは日常~社会生活の至るところで起きている。闘争本能ということばがあるように、争いがなくなることはなさそうです。
昨今の国際情勢に目を向けると、ロシアのウクライナ侵攻からきな臭さが強まっていることは多くの方がひしと感じているでしょう。核兵器を始めとした絶大な軍事力を有する国同士がふたたび世界を巻き込んで争うことになったら、人類は生き延びられるでしょうか。

語法について、「血塗る」はこれで一語の動詞です。「血塗られた」の形でよく用いられますよね。

ところで、文語のかなパズルではかな48字が用いられ、7・5・7・5・7・5・7・5 と七五調できれいに整えることができます。いっぽう口語の場合は「ゐ、ゑ」を除いた46字なので、七五調に揃えようとしたときバランスがいいのは、シンプルに考えると8つの句のうち2つの句から1字ずつ減らすことでしょう。
この作品は 6・5・7・5・7・4・7・5 となり、口語で整え得る七五調になりました。意識していたわけではないにせよ、気分がいいものです。

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